てぃーだブログ › 日々、読んだもん。 › 2008年03月

2008年03月03日

ワンちゃん

●ワンちゃん
楊逸(ヤンイー) 文藝春秋 本体1143円
(2008年1月10日 第一刷発行)

これも芥川賞候補になった作品。
審査員講評で話題になっていて、
気になっていたので、単行本で買ってみた。
中国人が書いた日本語の文学。
なので、視点のズレ、意識のズレがナマっぽくて面白い。
でも、小説としてちゃんと読ませる面白味もある。
なんだか今まで読んだことない感覚の小説でした。

しかしまあ、中国の人たちって大変なことになってるなあ……。
芥川賞候補作以外の書き下ろし「老処女」っていうのも
身もフタもなくて面白かったです。
  

Posted by ながみねようこ at 12:58Comments(0)TrackBack(0)新刊

2008年03月03日

乳と卵(月刊文藝春秋)

●乳と卵
川上未映子
(でしたっけ? 手元に本がないので表記違ってたらスミマセン)

で、ここんとこ読んだもんを他にもまとめて。

これは、そろそろ単行本にもなったらしいけど、
単行本ではなくて、
文藝春秋の「芥川賞全文掲載、審査員講評つき」
という号を買って読みました。
(興味の持てそうな芥川賞のときだけしか買わない分厚い文藝春秋)
面白かった。
私としてはけっこう好きな小説。
前半はちょっとだるいなあ、と思ってたんだけど、
ラストはそれを補ってあまりある面白さ。
文体が独特だということは各所で言われているけど、
たしかに、なんというか、ジャズのようなうねりとリズムのある文体。
なので、乗れるまでが退屈、というのはあるんだろうな。
とても質感とか匂い、温度がある文章。
これからの作品も楽しみ。

それにしても、審査員講評のところで
石原慎太郎がものすごくムキになって
「おれはこんな作品認めない、ぜんぜんダメだ」
というようなことを言ってて、「へー」と思いました。
もはや、この人に好かれないほうが
小説としては面白いんじゃないかなあ、
と思います。
まあ、そういう人が審査員なのもどうなのか?と思うけど。

  

Posted by ながみねようこ at 12:46Comments(0)TrackBack(0)雑誌(マンガ以外)

2008年03月03日

光の指で触れよ

●光の指で触れよ
池澤夏樹 中央公論社 本体2200円
(2008年1月25日 初版発行)

で、こちらが新刊。
前作同様500ページ以上に亙る長編なんだけど、
これも、するするーっと、あっという間に読めてしまった。
子どもにもめぐまれ、深く理解しあい、
絆を作っていた(ように見えた)
前作の主人公夫婦が、
夫に恋人ができたことで離れ離れになって……
というところから始まるのが今回の話。
帯にも「現代に生きる困難」というフレーズが書かれてるけど、
前作以上に、そういうことに深く向き合い、
丁寧に書かれている、という印象の話。
夫婦と家族の間の緊張感が話の中の軸になっているので、
「で、どうなるの? どうするの?」と興味を引かれているうちに
いろいろな問題やテーマも含めて一気に読ませる。
いい小説でした。
みんなが(自分も含め)こういうふうに生きたらいい、
と思える終わり方だったのもよかったっす。  
タグ :池澤夏樹

Posted by ながみねようこ at 12:30Comments(0)TrackBack(0)新刊

2008年03月03日

すばらしい新世界

●すばらしい新世界
池澤夏樹 中央公論新社 
(2000年9月10日初版発行)

8年前に刊行された池澤夏樹の長編小説。
読売新聞に1999年に連載されたもの。
この続編の小説が新刊で発表されたのだけど、
(「光の指で触れよ」という小説)
その前置きになるこちらのほうを読んでなかったので、
まず読んでみた。
面白かったですよ。
人と人の関係性、
電力をはじめとする現代の文化と人のつきあいかた、
考え方、
宗教のこと、
そういう大きなことが非常に示唆にとんだ言葉で書かれつつ、
登場人物のキャラクター設定が絶妙なので、
するするーっと読めてしまいました。
冒険小説的な側面もあるし、
家族小説でもある。
小説の中の考えに、私はとても共感しました。  

Posted by ながみねようこ at 12:15Comments(0)TrackBack(0)単行本(新刊以外)